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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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3年越の願いが叶い、野辺山ウルトラマラソンに参加、制限時間ギリギリながら何とか完走する事ができた。ランニングを始めてから3ヶ月後くらいにハーフマラソンの大会に出た頃にこの100キロの大会を知った。「星の郷」「八ヶ岳」と爽快感漂う大会名に惹かれ、自分に走りきれる事ができるのだろうか、無謀かもしれないがぜひ挑戦したいと思った。しかし、その時期にトレランも始めており、道志村という凶悪なレースがあることを知り、こちらこそ挑戦したいとより強く感じた。これらの大会は同一の日程だったため、その年は必然的に道志村に出る事になった。それがこのブログを始めたきっかけでもある。そして、完走はしたものの課題だらけであった道志村へのリベンジもいいが、次は野辺山と当ブログの事実上最初の記事でも明記している。昨年は震災で野辺山が中止になり、道志村にはエントリーしたものの、スケジュールの都合でこちらも参加できなかった。ようやく今年、UTMF2次募集の抽選が外れた事もあり、野辺山の舞台に立つ事ができた。

昨年末にエントリーしたものの、宿泊の申込をせずにいたらいつの間にか満室となって前泊の場所がない状態だった。ダメ元でレース直前の金曜日に観光協会にキャンセルがないか問い合わせたら空きが出たので予約可能とのこと、これで完全に逃げられなくなった。前記事の通り、UTMF/STYの応援をしてから野辺山に行ったので前日受付も出来ず、宿泊先では風呂に入ってすぐ寝た。

朝食は3時から、3時50分頃に受付に行き、ナンバーカード等を受け取る。ドロップバッグを用意したり、テーピングを貼ったりとしているとあっという間に4時半を過ぎ、レース開始まで時間がなくなる。42km地点には替えのシューズ(アディゼロ匠)、シャツ、ベスパ、ここでジョミを入れ、87km地点にはウインドジャケット、替えのシューズ(ルナグライド)、ハンドライト、ここでジョミを入れる。87キロ地点の荷物は、時間が遅くなったりシューズが合わなかった場合の保険のつもりだった。出走時の装備は短パン・ノースリーブでHaglofsのウエストベルトを着用し、シューズは信越五岳以来履いてきて既にソールがボロボロのMontrail Fairhaven。結局のところウルトラ用のシューズにどれがいいか分からなかったのでこれが最後の出番だろう。15分を切ってから荷物を預け、スタートラインに着く。とにかく、突っ込まないことを第一に考えていたので、後方に並びゆっくりと進む。スタートラインを越えるまでに3分近くかかった。

序盤はのどかな牧場や畑を朝霧の中進み、ほどなくしてJR最高地点に差し掛かる。ここで早速JR最高地点トイレというネタもいいなと思い、トイレに行く。それほど時間をかけたつもりはないが、後続のランナーの集団は既に通過、どうやらトイレ待ちの人を除けば最後尾に落ちたようだ。このレース、UTMF/STYよりも多い2500人近くエントリーしており、それが一斉にスタートする訳だから前に相当な人数がいることになる。焦っても仕方ないのでそのまま飛ばさず進んで行き第一エイドに到着。この辺りからは霧が晴れて八ヶ岳がきれいに見え、ようやくテンションが上がり始める。ここから先は20キロ手前のコース最高地点(1908m)まで砂利の林道を上り基調。とりあえず、上りが終わるまでは我慢と抑えながら進んで難なく最高点まで到着。この間、エイドでは水分補給に加え梅干し・塩・ピュレグミを主体に食べる。

ここで大きな勘違いがあり、最高地点ということでこの先ずっと下り基調かと思ってた。砂利道でスピードが出せずにいる人を尻目に混雑してるところ以外はぶっ飛ばす。しかし、すぐにまた上りがあり、アップダウンが続いて下り基調というわけではない。少々調子に乗り過ぎたようだ。34キロ地点稲子湯までがかなり時間がかかり、上り基調だった20キロまでよりも5キロのラップが明らかに落ちたと感じる。さらに、途中で会話した人からアップダウン多いよと言われ、稲子湯のエイドではおにぎりを食べたりお汁粉を飲んだりとしっかりと補給をする。しかしながら、今度は詰め込み過ぎたせいか、吐き気を感じる。結局ダラダラと進んで42キロ地点に5時間20分ほどで到着。シューズを履き替えてエイドではコーラを飲む。昨年スイスのレースに出たときにも同じような40キロ過ぎのコーラで生き返ったが、レース中盤で飲むコーラはすばらしい。

42キロを出ると、トレランシューズから軽量のロードシューズに履き替えたことと下り基調が相俟って気持ちよく進む。この間先行するランナーを追い越す度に信号や踏切に引っ掛かっるが、焦っても仕方ない。とはいえ、ほとんど本数のない小海線に引っ掛かった上、駅横の踏切のため、駅で停車してる時間などかなりのタイムロスではあったが。気づかなかったが、列車の乗客も手を振っていたようだ。集落の中を走ってると応援している親子連れがいて子どもとハイタッチ。何だか元気が出てくる。しかし、長いレースでは浮き沈みがあるもので、54キロあたりから周回コースを外れて58キロ地点北相木村役場への長い長い折り返しルートが始まる。道の反対側から折り返したランナーが帰ってくるが、行けども行けども折り返し地点が分からないのだんだん心折れてくる。その中にはトレラン界の超有名人、えくんちょさんの姿もある。えくんちょさんといえば、一昨年の野辺山の終盤で涙を飲んだようだが、今年は調子がいいのか、それとも自分が遅いせいで完走ラインよりも後ろにいるのか、と不安になる。折り返し点を過ぎて周回コースに戻るがペースが上がらない。そして、これまで暑いくらい日が出ていたのが雲に覆われ、寒くなってくる。ペースが落ち歩きがちの身体は一気に冷えて縮こまる。この辺りでほぼ歩きになる。

71キロ地点の手前では雨が降り始めるが、短パンノースリーブ以外にジャケット等の防寒具は持っていない。そして、71キロから先の79キロ馬越峠がこのコース最大の難所である。低体温症になったら、ハンガーノックになったら、ネガティブな想像が頭の中を駆け巡る。防寒装備があればまだしも、このまま続行してトラブルがあれば大会関係者に大きな迷惑をかけることになる。見込み不足を呪いながら71km関門に着いたときにリタイアを申告するか迷い、悔し涙がこみ上げる。充実感たっぷりの71キロの選手とは真逆だ。ここでリタイアしたら、何のためにはるばる野辺山の地まで来たのだろう。エイドで出されたホットレモンティーなど、温かいドリンクを飲みつつ、先を進む。無情にも雨が次第に強くなり、ここまでか、という気持ちも高まる。

75キロエイドを過ぎ、馬越峠への本格的なつづら折れの上りが始まる所でベスパハイパーを投入。突如として気分がハイになり、身体の痛みも消える。コース最難所の上りとはいえ、所詮はロードレース、トレイルの急登と比べたらたかが知れている。そしてちょうどこの頃に15時を過ぎ、同日に開催されていたUTMFが終わった。UTMFで48時間戦い続けた選手に比べたら、所詮は14時間など大した時間ではない。こんなところで頑張らなくてどうする。周りのランナーはこの峠道をすべて歩いていて、走っている者などいない。走り通すことはできないが、走って歩いてを繰り返すとどんどん先行ランナーをパスできる。皆たしかに苦しいのだろう。しかし、苦しいときに頑張らなくていつ頑張る、という思いで峠までハイなまま進んで150人くらいはパスしたのではないかと思う。えくんちょさんにも峠の上で追いついた。上ってる最中に雨も上がり、気温もまた上がってきた。まだ、戦える。

峠からは眼下に川上村を見下ろしながら長い下りが続く。峠を制したものへのご褒美のようだ。87キロ関門まではスムーズに到着。ここで、念のためにジャケットとライトもバッグから取り出す。ゴールまであとわずかとはいえ、先ほど痛い目に遭っておきながら、同じ過ちを繰り返す訳には行かない。13キロで2時間20分近くあり、もう楽勝かに思えた。90キロを過ぎ、野辺山への丘を登る。やはり、長いレースは浮き沈みがあり、峠の上りから続いていたハイな気分も再びローになる。ここで歩いていると、峠でゾンビのようになってた他のランナーに続々と抜かれる。93キロ地点、残り7キロ70分、歩き混じりになってるとどんどん時間が過ぎて行く。95キロ地点くらいから再び気分が戻ってきて少しは走れるようになる。残り3キロで盛り上がっている会場の裏手を一旦通りすぎる。そしてあと1キロで残り15分くらい、血相を変えた大集団に追いつかれ、抜かれる。完走のため必死で頑張っているのだ。99.99km走って10m足りなくても、完走とTOVでは天と地ほどの差がある。最後はゴール前で応援している人の列とハイタッチを交わして4分前にゴール。

初めてランニング大会のゴールで泣いた。70キロ当たりではもうダメかと完全に弱気になっていた。長い距離・時間の中で何度も苦しいときと楽しいときが訪れるのがロングレースの魅力である。そして、終盤になるほど苦しさと楽しさの浮き沈みの振幅が大きくなる。苦しい時に頑張れないと、ロングレースの完走は難しい。信越五岳以来、短い距離のレースばかり出ていたので、久々の長丁場は辛かったが、それに余りある充実感を得る事ができた。こうしてまた、ロングの沼へとはまって行くのか。
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祝完走
野辺山完走おめでとうございました。
またどこかでお会いしましょう。
LSD URL 2012/06/02(Sat)13:19:06 編集
Re:祝完走
LSDさま

ありがとうございます。LSDさんも野辺山参加されてたのですね。そして、STYも。ロードの長いのは初めてでしたが、エイドも充実していて楽しかったです。
【2012/06/06 23:13】
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