トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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体育の日を含む10月の3連休、土日で奥宮さんのトレランセミナー@戸隠に参加した。奥宮さんの著書の出版に併せて行われたイベントである。斑尾などのレースが行われているせいなのか参加人数はわずか6人だったがその分密なコミュニケーションと丁寧なアドバイスを受ける事ができ有意義な2日間であった。
コースは信越五岳とモロかぶりする部分も多く、昨年参加した石川さんの試走会を含め戸隠エリアを走るのはこれで3回目ということになる。信越五岳のレースでは黒姫の上りのピークからライトを点灯し、戸隠エリア夜間の通過となったので何も景色が分からなかったが、明るいうちに走ると景色がまるで違うことに驚いた。特に明るいライトを使えば近景については問題なく見えるが遠景は見える訳もない。7A鏡池〜8Aスキーゲレンデの間のトレイルでは500lmの爆光でガンガン進んだが、途中に眺望ポイントや石碑がいくつもあったりと改めて昼間来た事による発見がいくつもあった。信越五岳の通過だけでは分からない魅力が満載なのでじっくりとトレイルを巡りしたい場所である。今回は紅葉がちょうど見頃かという狙いもあったが、まだまだといった状況だった。パウダースノーに覆われる冬場もアクセスさえ何とかすれば楽しめると思う。
7A〜8A間のトレイルのピーク付近、硯石からの眺め。右側の尖った山は一夜山、展望はすばらしいようだ。
また、8A手前でエネルギー切れしてから大いに苦しんだ瑪瑙山も8Aの所をスタートに上ったらたしかに上りが続いてキツいが結構あっさりと上れてあのレースの苦しみは何だったのだろうという気分になる。夜間と疲労、この2つの影響を思い知った。
瑪瑙山山頂から臨む飯綱山。奥宮さんはこの下りから手前のゲレンデに戻るルートを探しに向かいの飯縄山中腹までスゴい勢いで上って道を見つけれず戻ってきた。。。
始まる前に周辺を走りつつ、イタリアンレストラン小鳥の森にてランチ。ログハウスにパワーバーとニューハレの目立つ旗が垂れており、これらの製品の取り扱いや登山・BCのガイド等を行っている店である。昨年の石川さんの試走会の際に店先で記念撮影をしつつプチトマトを頂いた場所でもあり、是非レストランの営業時間に来たいと思っていた。なお、レースの最中は時計を見て目標タイムに届きそうにないことを悟り心が折れかかった場所でもあるが、ここの店の前を通ってたとは全く気付いていなかった。ただし、ここからのロードの上りは夜間とはいえ見覚えがあった。
岩魚の和風スパゲティ。店のオススメ料理の一つ。
1日目はペンション前でフォームのチェックと走る際の基本的なアドバイス。その後は信越五岳のラスボス、瑪瑙山山頂までの上り下りを走行テクニックのレクチャーを交えながら走った。初日は緩い走れるコースかと思ってたので瑪瑙山上り下りは驚いたが、参加者のレベルは様々なれどまずまずのペースだった。途中ではスローカメラによる上りと下りのフォームの撮影を行った。夜に皆でそれぞれの走りを確認したが超スロー映像だから分かることが満載で貴重な機会だった。
2日目はノルディックウォーキングで鏡池を一周。朝食の後は奥社・九頭龍社〜中社〜火の御子社〜宝光社の5社巡りに加えて足神さんをお参りの戸隠神社・パワースポット巡りが中心の旅ランでツーリング。走りやすいトレイルが多く気持ちよかった。最後に小鳥が池で3人1組の駅伝形式レースを行った。最後は戸隠随一の蕎麦の名店、山口屋で皆で蕎麦を食べて終了。朝日に照らされた戸隠連峰を写す鏡池の美しさは大変すばらしかった。以前の試走会ではもやっぽくて視界が悪く、レース中は夜間なのでこの絶景を見る事はできなかった。神社は全般的にかなり混んでいた。パワースポット人気恐るべし。
朝の鏡池。朝もやが漂う中、朝日が戸隠連山に当たり神秘的な風景。
小鳥が池。鏡池と違って人も少なく落ち着いた感じ
戸隠奥社、大変混み合っていた
中社。こちらも参拝待ちの行列
足神さん。奥の木にはわらじが。。。
山口屋さんの戸隠膳。ボリュームたっぷりでおいしかった。
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Sierre Zinalのゴール後、Zermattに移動して宿泊、翌日マッターホルンのトレイルにゆるゆるで出かけた。町のメインストリートの中程、Grampi'sからTriftまで上り、ツェルマットの背後の山腹の2500メートルあたりの高さをトラバースしてマッターホルンの懐まで進み、谷沿いを待ちまで戻るコースであり、ガイドブックの定番Lonely PlanetのWalking in Swittzerlandにて紹介されている。7時間半ほどかけて20キロ弱のコースを往復。はじめは雨に降られたが、途中からは谷から断続的にあがる雲でホワイトアウトと晴れ間の繰り返す天気。雲上から絶景を終始眺めることができ、快晴とはまた別の趣ある景色を楽しめた一日であった。
このところかなり更新をおろそかにしてしまっていたが、本日夜出発しスイストレイルレースの2連戦に出かける。
1戦目はSierre-Zinal 31km
2戦目はmountain man ultra 80km
Sierre Zinalはスイス南部Sierreの街からマッターホルンの麓のZinalの町へと向けてワンウェイで走るスカイランナーワールドシリーズにもなっている1戦である。最強のトレイルランナーKilian Jornetと山の王者De Gasperiが火花を散らす。ここ2年はKilianが勝ってその勢いでUTMBも勝ってるが、コース記録はDe Gasperiが保持しており、この両者のデッドヒートは見逃せない。できたら表彰式までにゴールしたいところである。
Mountain manはスイス東部のLuzernのあたりで行われる同じくワンウェイレースである。こちらの完走者にはUTMBの参加資格ポイントが3ポイント与えられる。信越五岳を完走できたとしても、2ポイント以上のレースをもう1本出る必要があるが、国内で2ポイントのレースがほとんどない中で見つけたレースである。80キロ、累積高低5000m、制限時間15時間と自分の実力からしたら相当高い壁で今の状態では完走できる自信もまったくないが、出来る限りやってみるだけである。無論、ゴールデンウィークにMt.Diabloのレースを確実に完走していればこんなことにはならずに済んだのだが。。。仮に完走できなかったら氷ノ山に行くしかなくなるだけである。
これらのレースの合間ではchamonixやcourmayeurあたりも訪れ、UTMB開幕前の現地の様子やコースの雰囲気を感じることができたらいいなと考えている。
1戦目はSierre-Zinal 31km
2戦目はmountain man ultra 80km
Sierre Zinalはスイス南部Sierreの街からマッターホルンの麓のZinalの町へと向けてワンウェイで走るスカイランナーワールドシリーズにもなっている1戦である。最強のトレイルランナーKilian Jornetと山の王者De Gasperiが火花を散らす。ここ2年はKilianが勝ってその勢いでUTMBも勝ってるが、コース記録はDe Gasperiが保持しており、この両者のデッドヒートは見逃せない。できたら表彰式までにゴールしたいところである。
Mountain manはスイス東部のLuzernのあたりで行われる同じくワンウェイレースである。こちらの完走者にはUTMBの参加資格ポイントが3ポイント与えられる。信越五岳を完走できたとしても、2ポイント以上のレースをもう1本出る必要があるが、国内で2ポイントのレースがほとんどない中で見つけたレースである。80キロ、累積高低5000m、制限時間15時間と自分の実力からしたら相当高い壁で今の状態では完走できる自信もまったくないが、出来る限りやってみるだけである。無論、ゴールデンウィークにMt.Diabloのレースを確実に完走していればこんなことにはならずに済んだのだが。。。仮に完走できなかったら氷ノ山に行くしかなくなるだけである。
これらのレースの合間ではchamonixやcourmayeurあたりも訪れ、UTMB開幕前の現地の様子やコースの雰囲気を感じることができたらいいなと考えている。
御在所岳には登山道が多数張り巡らされているが、今回は湯の山温泉〜中道〜御在所岳山頂〜裏道〜湯の山温泉というルートをとった。登山口のある湯の山温泉へ向かう途中、どんどん雨が強くなってくる。ロープウェイ駅のところに着くと何と無情にも6月15〜30日は点検のため運休とある。別にロープウェイを使う気などまったくなかったが、雨の中トラブっても自分で下山しなければならない。ロープウェイ運休を見てショックを受けていた大阪から来たと思われる(なんばナンバーの車)グループにこれから登ると言ったら驚いていたようだが、真っ当な反応である。
初めての山、雨、ここは引き返すのが常識的な判断だろう。鏑木さんは雨だからといってトレーニングしないというのはないと仰ってたそうだが、当然のことながら、よく知っていて危険のない場所でという前提がある。そもそも山に行くときにレインウェア等の荒天対策をするのは雨の中に山に行くためではなく、運悪く雨に降られたときに安全に下山もしくは避難小屋にたどり着くためである。この日は全く雨が降り続くことを予想していなかったため、ウインドストッパージャケットしか用意していなかったが、かなり生地に水がしみ込んでいた。やはり、ウインドストッパーでは小雨で3時間が限度であり、それ以上の場合はゴアテックスか同等品が必要になるだろう。特に、雨の日に山に行く場合には。水濡れは低体温症の原因となり、遭難した場合に大変危険である。今回はサバイバルブランケットも持っていなかったが当然持っておくべきものである。
とにかく初めての山で装備が不足していることもわかっているので、ハイカーが多く通るメジャーなルートを外さないということと、状況に応じてすぐに引き返すということだけは守らねばならない。命に関わるリスクがあり、晴天時に比べて高くなっていることも理解しているが、命がけの山登りをする気など全くない。
この日は終始視界が悪かった
御在所岳は花崗岩の山、浸透性がないので降った雨はすぐに沢へと集まり増水する。すなわち鉄砲水が起こりやすいことを意味する。鉄砲水はまさに山の津波であり、出くわしたらひとたまりもないし、渡渉のあるコースで雨の中は最も警戒すべきものである。しかも2〜3年前の集中豪雨で激しく崩落が起こるなど、土砂災害の多いお土地柄のようだ。さすがに高齢の祖父母の心臓を飛び出させるわけには行かないので登山届けをしっかりと書いていこうと思ったが登山口のポストのところでは何と用紙切れ。まあ仕方ないかで上り始める。なかなかの急勾配でしかも足元が花崗岩なのでつるつるで気を使う。
驚異の造形、地蔵岩
負ばれ岩などを眺めながら上っていくと地蔵岩にたどり着く。直立した岩の隙間に、立方体の岩が挟まった形であり、大自然が生み出したインスタレーションである。ほどなくして中道の難所、キレットを通過する。断崖ではあるが、ハイカーがたくさん来る山なのでさほど難しいこともない。
中道最大の難所、キレット。基本に忠実にいけばさほど難しくはない
キレットを見上げる
ここまでまったく人に遭わなかったが、中道を上りきり、頂上へ向かう途中に下山をしてくる5〜6人くらいのグループとようやくすれ違う。さらに頂上付近のスキー場のレストランの所で休憩をしたが、先客のカップルがいた。まったくホワイトアウトの状態で展望がないことは分かりきっているが、頂上まで一応上ってから下山することにした。頂上からは天気がよければ琵琶湖、伊勢湾、伊吹山、鈴鹿峠を見渡すことができるようだ。
国見峠〜国見岳〜国見尾根でゆるぎ岩などを見てから裏道に合流するつもりでいたが、国見岳山頂付近で道がよくわからなくなったこともあり国見峠まで引き返して裏道を降りる。特に国見岳頂上で調子に乗って踏み跡に従い薮に入ってみたらわずか30メートルほどなのに迷いかけてしまった。少なくとも薮入る前にコンパスで方角を確認しておけばこんなことにはならないのだが。
国見岳頂上の薮の中にも巨石文明を彷彿とさせる岩が…
これも岩の上に岩…
国見尾根は尾根道、裏道は沢筋であり、増水が予想される中で沢筋を通るのも微妙だがこちらの方が多く踏まれているので安心できるという判断である。基本的に岩だらけの道を下っていく。おんたけスカイレースの頂上付近の道を思い出す。こういう場所は走ることはできないが、リズムである。途中で先ほどのカップルを追い抜き、下っていくと岩壁の鎖場を通って河原に降りる所に出た。まさか渡渉があるとは思わなかったが、案の定増水していて幅1mほどだが、対岸の岩が尖っているし、川幅が狭くなって流速が凄いので足を突っ込んだらたちまち流されてしまうような勢いなのでとても渡れる感じではない。広い河原なので渡渉できるポイントを探して何とか渡る。
足を大きく広げれば渡れる距離ではあるが、増水により流れが速い
ここからは岩ごろごろの河原をひたすら下っていく。この日は一時を除いてしとしととした雨だったのでよかったが、豪雨ともなれば広い川全体が激流となりとても通過できるような状況ではなくなるだろう。記憶の片隅にある、10歳くらいの頃に訪れた河原に似ている。花崗岩の山で、いくつもの沢が合流してできた下流の河原はこういった景観になるのかもしれない。途中、川の中州のような場所に藤内小屋があったが、岩ごろごろの河原に立地しているため、先の土砂災害では大打撃を受けたようだ。建設途中の砂防ダムを眺めたりしてようやく下山。
右手の森から出てきてここで渡渉
岩に記された記号を頼りに進む
砂防ダムも水量たっぷり
この日は10キロ〜12キロといったところだろうか。上りは完全歩きモードで下りはかなり下まで来てようやく走れたという感じである。温泉につかってビール飲んで、さらに名古屋駅でラーメン食べてビール飲んで、新幹線でもさらにビールを飲んで帰宅。距離も短かったので消費カロリーに大して摂取過多な気はするが。名古屋駅からわずか2時間ちょっとで家まで着いたので、新幹線の偉大さに改めて感心したが、リニアが開通すればアルプスあたりに高尾山に行くような感覚で行けるような時代が来るのだろうか。金銭的なところは別として。
今回はあいにくの悪天候だったので御在所岳のみのピークハントコースに止めざるを得なかったが、鈴鹿の山には祖父母が健在なうちにまた訪れたいところである。
初めての山、雨、ここは引き返すのが常識的な判断だろう。鏑木さんは雨だからといってトレーニングしないというのはないと仰ってたそうだが、当然のことながら、よく知っていて危険のない場所でという前提がある。そもそも山に行くときにレインウェア等の荒天対策をするのは雨の中に山に行くためではなく、運悪く雨に降られたときに安全に下山もしくは避難小屋にたどり着くためである。この日は全く雨が降り続くことを予想していなかったため、ウインドストッパージャケットしか用意していなかったが、かなり生地に水がしみ込んでいた。やはり、ウインドストッパーでは小雨で3時間が限度であり、それ以上の場合はゴアテックスか同等品が必要になるだろう。特に、雨の日に山に行く場合には。水濡れは低体温症の原因となり、遭難した場合に大変危険である。今回はサバイバルブランケットも持っていなかったが当然持っておくべきものである。
とにかく初めての山で装備が不足していることもわかっているので、ハイカーが多く通るメジャーなルートを外さないということと、状況に応じてすぐに引き返すということだけは守らねばならない。命に関わるリスクがあり、晴天時に比べて高くなっていることも理解しているが、命がけの山登りをする気など全くない。
この日は終始視界が悪かった
御在所岳は花崗岩の山、浸透性がないので降った雨はすぐに沢へと集まり増水する。すなわち鉄砲水が起こりやすいことを意味する。鉄砲水はまさに山の津波であり、出くわしたらひとたまりもないし、渡渉のあるコースで雨の中は最も警戒すべきものである。しかも2〜3年前の集中豪雨で激しく崩落が起こるなど、土砂災害の多いお土地柄のようだ。さすがに高齢の祖父母の心臓を飛び出させるわけには行かないので登山届けをしっかりと書いていこうと思ったが登山口のポストのところでは何と用紙切れ。まあ仕方ないかで上り始める。なかなかの急勾配でしかも足元が花崗岩なのでつるつるで気を使う。
驚異の造形、地蔵岩
負ばれ岩などを眺めながら上っていくと地蔵岩にたどり着く。直立した岩の隙間に、立方体の岩が挟まった形であり、大自然が生み出したインスタレーションである。ほどなくして中道の難所、キレットを通過する。断崖ではあるが、ハイカーがたくさん来る山なのでさほど難しいこともない。
中道最大の難所、キレット。基本に忠実にいけばさほど難しくはない
キレットを見上げる
ここまでまったく人に遭わなかったが、中道を上りきり、頂上へ向かう途中に下山をしてくる5〜6人くらいのグループとようやくすれ違う。さらに頂上付近のスキー場のレストランの所で休憩をしたが、先客のカップルがいた。まったくホワイトアウトの状態で展望がないことは分かりきっているが、頂上まで一応上ってから下山することにした。頂上からは天気がよければ琵琶湖、伊勢湾、伊吹山、鈴鹿峠を見渡すことができるようだ。
国見峠〜国見岳〜国見尾根でゆるぎ岩などを見てから裏道に合流するつもりでいたが、国見岳山頂付近で道がよくわからなくなったこともあり国見峠まで引き返して裏道を降りる。特に国見岳頂上で調子に乗って踏み跡に従い薮に入ってみたらわずか30メートルほどなのに迷いかけてしまった。少なくとも薮入る前にコンパスで方角を確認しておけばこんなことにはならないのだが。
国見岳頂上の薮の中にも巨石文明を彷彿とさせる岩が…
これも岩の上に岩…
国見尾根は尾根道、裏道は沢筋であり、増水が予想される中で沢筋を通るのも微妙だがこちらの方が多く踏まれているので安心できるという判断である。基本的に岩だらけの道を下っていく。おんたけスカイレースの頂上付近の道を思い出す。こういう場所は走ることはできないが、リズムである。途中で先ほどのカップルを追い抜き、下っていくと岩壁の鎖場を通って河原に降りる所に出た。まさか渡渉があるとは思わなかったが、案の定増水していて幅1mほどだが、対岸の岩が尖っているし、川幅が狭くなって流速が凄いので足を突っ込んだらたちまち流されてしまうような勢いなのでとても渡れる感じではない。広い河原なので渡渉できるポイントを探して何とか渡る。
足を大きく広げれば渡れる距離ではあるが、増水により流れが速い
ここからは岩ごろごろの河原をひたすら下っていく。この日は一時を除いてしとしととした雨だったのでよかったが、豪雨ともなれば広い川全体が激流となりとても通過できるような状況ではなくなるだろう。記憶の片隅にある、10歳くらいの頃に訪れた河原に似ている。花崗岩の山で、いくつもの沢が合流してできた下流の河原はこういった景観になるのかもしれない。途中、川の中州のような場所に藤内小屋があったが、岩ごろごろの河原に立地しているため、先の土砂災害では大打撃を受けたようだ。建設途中の砂防ダムを眺めたりしてようやく下山。
右手の森から出てきてここで渡渉
岩に記された記号を頼りに進む
砂防ダムも水量たっぷり
この日は10キロ〜12キロといったところだろうか。上りは完全歩きモードで下りはかなり下まで来てようやく走れたという感じである。温泉につかってビール飲んで、さらに名古屋駅でラーメン食べてビール飲んで、新幹線でもさらにビールを飲んで帰宅。距離も短かったので消費カロリーに大して摂取過多な気はするが。名古屋駅からわずか2時間ちょっとで家まで着いたので、新幹線の偉大さに改めて感心したが、リニアが開通すればアルプスあたりに高尾山に行くような感覚で行けるような時代が来るのだろうか。金銭的なところは別として。
今回はあいにくの悪天候だったので御在所岳のみのピークハントコースに止めざるを得なかったが、鈴鹿の山には祖父母が健在なうちにまた訪れたいところである。
金曜日は名古屋出張。午後の会議のため、直帰着でも東京へはかなり遅い時間になる。土曜にこちらでのトレイル仲間とのトレイル行きの予定もあったが諸般の事情によりなくなったので、それでは、ということで三重県にある母方の実家に泊まることにした。かなり高齢になる祖父母とはここ2年ほど会っていない。健在でいるうちに顔を見せておきたいというのもあった。とはいえ、何といってもせっかく三重まで来たのなら鈴鹿の山に行かねばなるまい。となると鈴鹿の山に興味が出てきて色々と情報収集を始める。鈴鹿セブンマウンテンと呼ばれる代表的な山々が主脈に沿ってあり、すべてめぐると距離55km、累積高低5000mオーバーでハセツネよりも厳しいと石川弘樹さんが書いているタカタッタの記事を見つけたりする。
幼少時よりずっと三重に正月帰省すると初詣で行くのはセブンマウンテンの一つ、入道ヶ岳の麓にある椿大社だったし、御在所岳の麓、湯の山温泉にも夏休み等に数回行ったことがある。とはいえ、幼少 時のこと、どういうルートでどうアクセスしたのか頭に入っていることもなく、もはや具体的にどの場所行ったのかは知りようもないが。岩がごろごろした河原でカジカ蛙を捕まえたりした記憶がぼんやりとある程度である。
金曜日は、そもそもの出張用務の資料作成でばたばたしていたため、適当にかき集めた装備では山に行くのに不足があったが、便利になった時代、出張の用務終了後に名古屋駅ビルで地図、コンパス、ライトなど必須装備品を買って山行きに備える。
麓まで鉄道でアクセスできる藤原岳から入り、御在所あたりを目指してひらすら鈴鹿山脈を縦走し、最後は湯の山温泉で風呂に入るというルートにやたらと惹かれたのでそのつもりでいた。しかしながら、朝起きると無情にも雨。数日前の時点では6月18日は関東が雨で名古屋以西は晴れという予報であった。前日には晴→曇と予報が変わっていたがまあなんとかなるかなという程度だった。その程度の認識だったのでレインウェアを持参していない。長時間の山行きは大変危険である。残念ではあるが雨の中、初めて登る山、しかも帰りの新幹線のことまで考えると無理はできない。早朝出発の予定でいたが、ふて寝をしながら考えた結果、御在所岳往復にすることにした。前夜、山行きを計画していることを祖父に話すと田部井淳子氏のテレビ番組で御在所を取り上げた回の録画を見せられ、随所にあるという奇岩が気になっていたのでぜひこれだけは見に行きたいと思っていた。
御在所岳は四日市から電車、バスを乗り継ぎ湯の山温泉まで行くとほぼ頂上までロープウェイで上ることが出来る。鈴鹿山脈を含め、名古屋圏在住者にとっては首都圏在住者にとっての大山・丹沢山地と同じような位置づけだろう。標高も1200メートル前後と丹沢より低いが大山と同等である。もちろん、関東ほど電車ユーザーの割合は高くなく、車での移動が基本なので公共交通機関の充実度は首都圏ほどクリティカルではないかもしれないが。御在所というのは名前からしても「おはします所」となるが、何がいるかといえば当然神様のいる山ということである。全く気にしていなかったのでそんなことも知らなかったが、花崗岩の山で奇岩が随所にある景観からそういう名前がついたのだろう。そういえば花崗岩のしまである屋久島も山頂に岩が乗っかってるような山がたくさんあるし、GWに旅行で訪れたヨセミテ渓谷も花崗岩の山と谷である。岩の特質から神秘的な造形ができやすく、信仰の地となりやすいのかもしれない。
鈴鹿山地にはヒルが多いと聞く(これまた丹沢と似ているが)ので、足元は膝下までくるリガードソックスを履き、ディートの濃度が濃い虫除け剤「ムシバイバイ」をしきりに散布しておく。止まるときはなるべく開けた岩場にして濡れ落ち葉の木立の中は速やかに通り過ぎるよう気を使う。こうして自分なりのヒル対策をしていたつもりだったが、何と御在所には基本的にヒルはいない(ゼロではないがほとんど出くわさないらしい)ので大して意味のないことをしていたようだ。もちろん足回りへのブヨなどの攻撃は防げたかもしれないが。
こうして雨の中、御在所岳を上ってきた。
〜続く
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