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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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久々のお出かけトレイルとして谷川岳〜平標山(たいらっぴょう)の谷川連峰縦走路に行って来た。谷川岳の北側の一の倉は遭難死者数が多く、谷川岳自体が世界一遭難死者数の多い山となっている。今回はそのルートとは無縁でロープウェイで天神平に上がり、山頂まで行き、そこから西の稜線を進むルート。越後湯沢駅に荷物を預け、土合駅まで電車で行き、帰りは苗場の手前からバスで越後湯沢に戻るという行程である。帰りのバスが19時9分と35分というのがポイントである。当初は水上から土合に出て荷物預けなしで着替えも背負って行動する予定だったが、如何せん高崎から先のローカル線に時間がかかるので新幹線で越後湯沢に出て荷物を預けるのが最も楽だろうと判断した。越後湯沢経由土合行きの切符だったが、途中下車扱いで改札を出てコインロッカーに荷物を入れる。土合駅は越後湯沢から上り線で到着すると地上ホーム。下り線のホームとの高低差が80mほどあるモグラ駅として有名だが、今回は上から覗くだけである。

9時前に到着し、谷川岳目当てのハイカー20人くらいが土合駅で下車。ロープウェイの駅まではアスファルトの緩い上りを1キロ強。ちょうどいいウォーミングアップになる。西黒尾根から頂上まで直登するルートとロープウェイで天神平まで上るルートの2つがあるが、今回は後者を選択。平標山まで抜けるルートは山と高原地図のコースタイムで前者で14時間、後者で12時間半のため、いかにトレランスタイルとはいえ途中のトラブル次第では帰りのバスに間に合わない悲劇が起こりうる。ロープウェイ駅で水(2lがないので高くついた)やスポーツドリンクを買い、ツアーの団体で賑わうロープウェイに乗車。9時半頃に頂上駅に到着した。

谷川岳頂上への道はロープウェイから来た客で賑わっており、かなりの人数がいる。しばらくは樹林帯だが、抜けると頂上までの見晴らしが良くなる。途中ロープが貼られた岩場などもあり、ひたすら上り道が続く。ところどころにフラットな場所があり、展望を楽しんだり休んだりする人のたまり場となっている。肩の小屋から少しでトマの耳(1963m)に着く。雲がやや多いものの、見晴らしはよい。2000mに満たない標高ながら、豪雪地帯であるため森林限界が低く、景色としては北アルプスの3000m級の山々に匹敵する。谷川岳は双耳峰のため、オキの耳(1977m)が最高点であるが、今回はそこまで行かずに平標山へと続く縦走路に入る事にした。縦走スタートは11時過ぎ、10時間の道なので、よほどの事がない限り19時半のバスに間に合わないことはなかろうと思いながら出発。行く先が雲にかかっていて若干の不安はあったがとりあえず進む。
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尾根上にシングルトラックが延々と続く

こちらの縦走路は大勢のハイカーで賑わっていた天神平〜谷川岳山頂とは違ってほとんど人がいない。果てしなく続く稜線上のシングルトラックをほぼ一人締めにできる。景色は最高に気持ちいいが、残念な事になかなか気持ちよくは走れない。万里の長城かと思うような、大小のピークが続き、しかも足元は笹の葉がガレの上に敷き詰められていて滑るし踏み方を間違えると足を捻りそうになる。急峻な斜面の上の細い尾根なので、転けたら最後、悲劇が待ち受けているので中々スピードを出す事は出来ない。また、ピークの頂上付近では特に上りが急になり、3点確保しながら上りをするような所も多々ある。南の斜面から風が通り抜け、鞍部は雲の通り道となっている。ガスで見えなくなるのは断続的なので雲が通り過ぎた後には絶景を眺める事ができる。快晴ではっきりとした展望も勿論よいが、雲がある眺めもなかなか風情があってよろしい。
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いくつかのピークを越えた所で12時、この日は12月に第1回目が開催する伊勢の森トレイルレースの申込開始日でもあるため、山の上ながら申込を敢行。偶然電波がよく入る場所にいたのであっけなくエントリー完了。ここで急に雨が降ってきた。ゴアのレインウェアを家を出てから忘れた事に気づき、取りに戻っていてよかった。2000m近い稜線で風雨に対する装備がないのは自殺行為に他ならない。雨がなくても風が吹くとかなり涼しく感じていたが、雨の中で体感温度は10℃近いだろうか。少し先に避難小屋が見えて来たのでそこで休もうと思い急ぐ。小屋の中には4〜5人の先客がいたが、ちょうど雨が止んだので結局中には入らずそのまま出発。

谷川岳を出て6キロ、万太郎山に到着したのが13時20分くらい。○○の頭という名のある中ピークと無数の小ピークが続いていたので、繰り返すアップダウンにいつになったら着くのかとやや辟易していた。大した距離でないのに2時間以上かけてしまった。先ほどの雨で滑りやすくなった急斜面に手こずり、コースタイムと比較すると帰りのバスに対してあまり貯金を稼げてないので少々焦りはあった。ヤセ尾根と地図に書かれていた箇所は確かに高所恐怖症の人は卒倒しそうな細い尾根を通り過ぎ、ここからは連峰の縦走ルートの最低点まで下って仙の倉山へ上り返す。見通しがいいので、目の前に最低点とその上り返しがよく見える。しかし、その上った先も中ピークのエビス大黒の頭(1888m)であり、本当のピークの仙の倉山(2026m)はその先の雲の中である。奥多摩の雲取山と標高的には大差ないのに存在感は全然違う。

エビス大黒の頭への上りで2人ほど前方から来た人とすれ違ったが、おそらくこのルート上で出会ったのは同方向に5人、逆方向に4人くらいで合計10人ほどだろう。ようやく上り切ると、雲の中の仙の倉を前にまた鞍部が見える。ピークに着いては下ってまた上る、その繰り返しだ。途中からガスに入り、ホワイトアウト状態で景色も見えなくなる。トレイルははっきりとしているので道迷いする危険がないのは幸いだった。視界が悪い中、もう頂上かと思わせては次の上りがガスの先に見えてくるということが何度も続く。仙の倉山の頂上に着いたが当然視界は真っ白、ここは晴れていれば360°の好展望の場所らしい。平標山までは草原の中にロープで仕切られた中、木道などを進む。きっと高山植物が花を咲かす時期は素晴らしいのだろう。木道の上は勢い良く走れないが、これまでのアップダウンの繰り返す尾根に比べてかなり楽なルートである。平標山到着が16時40分、悪天候で写真ストップがない分ペースが上がっている。ここからは地図のコースタイム2時間半くらいの道なのでよっぽどのことがない限り19時半のバスを逃す事はないと確信。

またまた雨が降って来てしかもかなり強まっているのでレインウェアを着用し下山ルートを進む。ガレていて細い尾根が続いていて走れなかったこれまでの道と違い、道幅も十分の土のトレイル、ようやくトレイルランニングが始められる。快調に飛ばして下って行くと、ガスが晴れ、夕日が見えて来た。正面には苗場スキー場が見える。バスの時間ギリギリだとライト点灯というのも覚悟していたが、何とか点灯する事なく18時10分に登山口駐車場に下山。その後、30分ほどで真っ暗になったので非常にいいタイミングだったのだろう。
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19時9分のバスで越後湯沢駅に戻るが、他の乗客は皆無。駅のロッカーから荷物を取り、15分ほど離れた駒子の湯に向かう。町営の施設できれいだが、料金は500円と割安。帰りの新幹線があるのでそれほど長居はできなかったが快適であった。入浴後は駅近くの越後やで名物のタレカツ丼と生ビール2杯に舌鼓を打つ。21時半の新幹線で東京へと帰る。交通費もかかるし、日帰りでは少々しんどい行程であったが、それを差し引いても余りある素晴らしい景色で、まさに空のトレイルと呼ぶにふさわしい眺めだった。スイスで出場したスカイランニングのレースやマッターホルンの麓の山歩きを思い出す眺めが気持ちいい。わずか20キロ強の行程に8時間半以上かけたのは少々スピード不足であるが、トレイルの状態と、地図のコースタイムとの比較でいけば仕方ない。2週間前のLeadvilleのHope Passの3840mに比べたら半分の標高なので身体もそれなりに動いていた。このエリア、苗場山など魅力のある山が他にもある。また次回も訪れたい場所である。
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