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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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谷川岳の翌週は南伊豆、ようやく夏らしい所に出かける事が出来た。既に9月第2週であったが。伊豆半島南端部の海岸には、妻良(めら)から中木の集落に南伊豆歩道と呼ばれるトレイルがあり、さらにそのまま石廊崎へと続いている。合計で20キロ強、トレランツーリングにはちょうどいい距離である。きれいな海と温泉、金目鯛、きっと楽しい一日になるに違いないと思って家を出た。

少々出遅れた事もあり、想定より下田到着が遅くなり、無情にもバスの出発は12時前。90分のロスにつながってしまった。遠い場所に出かけるときには、出先の電車やバスの本数が少ないため、地元の数分の乗り遅れが1時間単位の誤差になるのは常に注意すべきことである。待っていても仕方ないのでバスと同じ方向に向かってジョグを始める。いくつかの美しいビーチを眺めながら、3キロくらい先でバスに追いつかれる。ここからは妻良までバスで移動。漁港の集落であるが、こんな所でもやはり海の色が美しい。地元のおばあさんに話しかけられ、石廊崎まで走る予定であることを伝えるとあきれられる。9月の残暑の炎天下の中を走るというのは、確かに通常の人から見たら異常なことであろう。

集落から少し戻ったところに南伊豆歩道の入り口があり、最初の区間は吉田集落までの4キロである。さらに最初は林道である快適に走れる。しばらくしてトレイルへの分岐があったが、一瞬進むべきか戸惑った。明らかに茂みに覆われていてしかも階段が崩れかかっている。これは危険なのでは?と思いそのまま引き返そうかとも思ったが、ちょっと進んでみるかといつもの調子で進む。トレイルにはクモの巣が無数に張り巡らされて、数メートルに一度はあるという状況である。さらに、足元もどんどん心もとなくなり、草に覆われてしまっている。吉田までは大した距離ではないが、このまま進んでいいのかかなり不安になる。葉山のトレイルをさらにワイルドにした感じである。

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下草に覆われたトレイル

進めど進めど相変わらずトレイルは走れたものではないが、時折南伊豆の美しい海の風景が見える。もっと快適に走れる時期ならば景色を楽しむ余裕があるだろうが、停まるとアブやハチの集中攻撃をくらうのであまり長く休む事はできない。これだけ荒れ果てたトレイルなのに比較的新しい標識が多数あり、吉田への距離が近くなっていることは分かる。今さら引き返すわけにも行かないのでもう進むしかないという状況になりつつあったが、トレイルの状態はヒドい。さらに、トレイルの先に何かいると思ったらウリボウがこちらの様子を窺っている。近くに親がいるかもしれない、それだとかなりイヤであったが、笛を吹いたりしてどっかに行ってくれる事を祈る。こちらから少しずつ距離を縮めるとどこかへと消えてしまった。しかし、これだけでは安心ではない。
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倒木と下草がトレイルの行くてを阻む

さらに進んで行くと行く手を数本の大きな倒木が壁の様に立ち塞がりまるで進める感じがしない。誰かが間違ったのか、ルートを探すためなのかトレイルを避ける踏み跡があった。この踏み跡をたどればどこかに出ると思ったが、残念ながら獣道へとそのまま入ってしまいそうな感じである。とにかく、正規のルートに戻る道はないかと考えながら進んでいたらどんどん尾根へと上って行きそうになる。下を見下ろしたときにコースのように見える場所があったので下りてみたらその通りで、ようやくコースに復帰。結局吉田の集落に出た所でこの先の続行をあきらめる。あまりにもハチやアブの襲撃は頻繁だし、下草に覆われたトレイルをこれ以上進みたくない。

吉田集落は国道から遠くはなれた場所であり、断崖と海に囲まれてアクセスできる道は一つしかない。しぶしぶロードで峠越えをして国道に戻る。そのまま弓ヶ浜までロードをダラダラと走る事にした。弓ヶ浜は日本でも指折りの美しい砂浜である。弓ヶ浜には17時過ぎに着いたが、無情にも帰りのバスは17時40分が最終便となる。それでも、海に一度も入らない夏など有り得ないということで、一気にドボン。鎌倉あたりと違って澄んだ海が気持ちいい。しかし、それもつかの間、手に痺れるような感覚があった。まさかクラゲがいるのか。何かの間違いだろうと思っていたら今度は先ほどと同じような感覚が腕のより広い範囲に感じた。どうやら2度に渡りクラゲに刺されてしまったらしい。なお、後で調べたところによると、弓ヶ浜にはクラゲはいない、という記述が堂々となされているホームページやブログに行き当たったが、そんなことはなかった。

下田駅までバスで戻り、隣の蓮台寺へと向かう。ここの金谷旅館の千人風呂で日帰り入浴。非常に広い浴槽であり、男女混浴である。といっても、女性は専用の風呂があるため、夫婦やカップルなど、一緒に入ろうという人のみが混浴の方に来るようである。趣のある内装に、快適な風呂であった。日曜日であったため、翌日の仕事のことも考慮してさっさと帰路につく。残念ながら金目鯛も食べれず。結局、南伊豆歩道は中途半端にしか行けず、さらに海ではクラゲに刺され、金目鯛にも縁がないという少々ほろ苦い部分もあるトレイル行きであった。海とトレイルを両方楽しもうという欲張りな計画にやや無理があったか。次に訪れるのはやはり春の少し前で下草が茂っていない時期だろうか。

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