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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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欧州遠征から帰宅して初めての週末。10日前に訪れたChamonixを中心にUTMBが開催中だったりとまだまだ余韻が残る中、ヨーロッパアルプスの長い上りを想定して奥多摩駅から石尾根を上り、雲取山を目指した。信越五岳に向けては山に登る練習よりも走る練習の方が肝要ではあるが、天候と水、時間等の理由から鷹ノ巣山で折り返したが、これは懸命な判断であった。この山域で夜間の、しかも悪天候時の行動は相当な危険を伴う。詳しい状況はわからないがトレイルランナーが1ヶ月前に遭難・滑落する事故があったしこの山にはクマが生息している。6時間、20キロ、1800m+とかなりゆったりのペースだったが安全最優先で行動したので仕方あるまい。

UTMBスタート前の興奮から寝たのが4時半だったので6時に家を出るという無謀なプランはもろくも失敗。結局9時過ぎに起床、天気は悪いし昼過 ぎに山入り口到着というのはまたベッドに戻りグダグダの土曜日を過ごすには絶好の条件だったが、行かないと何も始まらないということでとりあえず家を出る ことにした。最低限の準備で11時前に家を出る。奥多摩駅到着が13時半頃。奥多摩へ向かう途中の電車からも見えたが山は完全にガスの中。奥多摩駅近辺は 雨は降ってないがガスの中では降っているだろう。

駅近くで水2lとウーロン茶500mlを購入して14時前から上り始める。さすがに奥多摩駅ともなると24時間営業のコンビニが近くにないので、必要なものは自宅近辺で揃えておく方がいい。このコース、過去に奥多摩湖中程の熱海から倉戸山経由で鷹ノ巣山に上った際の下山時に使ったので鷹ノ巣までは通ったことはある。標識に従いロードを少し上り、トレイルに入ると神社がある。ここで無事に帰れ るようお祈り。神社の脇から裏側へと入って行く。まさに神域に入っていくというこのシークエンスが胸を躍らせる。

気温は大して高くないが、雨の影響で湿度があるため汗が乾きにくく、いやな蒸し暑さである。前日のゲリラ豪雨の影響があるのか、かなり地面は湿っており、しかも土が滑りやすそうなので下山時も快適なランニングはできないなと感じる。上る最中に出くわした人は2、3組のみ。前日も東京でゲリラ豪雨が猛威を振るうなど、天気が悪かったので山に入ってる人が少なかったのだろう。ひたすらの上りに疲れて何度か止まるが、今度は気温が大して高くないので一気に体が冷える。こうなると雨もあり、体温低下が危険となる。

将門馬場のところでルートが主稜線と巻き道に分かれるが、急な上りを嫌って巻き道を選択。これが大間違いで、途中に倒木が多数あり、一見するとトレイルが行き止まりのように見える。これを滑落しないように何度も避けるはめになる。この倒木は倉戸山方面からの合流の前後両方にあるので倉戸山から来た場合、道が塞がれている状況となる。道を塞ぐ倒木で何度引き返そうかと思ったことか。そしてこれと相前後して雨足が強くなりレインウェアを着用。既に雲取は厳しいかなという感じにはなりつつあった。

鷹ノ巣山到着が上り始めて3時間半、かなりスローペースである。トレランポールを使う場合に速く上るのが難しい。たしかに疲労感は全くなかったが。。。天気は相変わらず雨と濃いガスで視界が悪 い。水も半分ほど消費していたが、この先の鷹ノ巣避難小屋に水場ありと地図の表記。しかし、雨天時には水場が汚濁する場合もあるので頼りにしていいのか微妙である。また、 帰りの電車を考えても雲取山までこのペースで行けるとは思えなかったのでここで引き返すことにする。七ツ石山まで行って鴨沢に下りる手も最初は考えていたが、来た道を戻る方が確実であるし、奥多摩駅まで直で戻ることができる。鷹ノ巣山から最短で里に下りるルートとしては稲村尾根から日原に下りるルートは通ったことないし、倉戸山から熱海に下りるルートは急坂で昼間でも迷いやすいので全く候補として考えなかった。さらに後者はかの伝説的クライマー山野井泰史氏がクマに襲われたエリアである。

下りはとにかく暗くなる前にどれだけ戻っておけるかがポイントとなる。倒木があったルートを避け、尾根側のルートを進む。このルートは1箇所急坂があるが、そこにさしかかる所でちょうど暗くなっ ていたため、道を間違いやすくかなり危険な状況であった。特に急な下りの場合、ライトで照らされる範囲では道がどちらに続いているのか大変分かりづらい。道を何度か外れるなど苦戦しながらも何とか通過する。昨年の秋に高尾陣馬で60ルーメンのヘッドライトのみで痛い目に遭った経験から、Gentos309と325の150ルーメンのライト2刀流で、使わなかったが念のための最終兵器として500ルーメンも配備していた。さらに予備電池も十分持っていた。60ルーメンのヘッドライトではやはり濃霧の闇には役に立たないのでそれだけなら急な下りで先が分からず、遭難している可能性が極めて高いだろう。もしライトが全て役に立たなくなったら体温低下に気をつけながら夜を過ごすしかないだろう。

完全にライトが必要な状況となるが、濃い霧のためライトの明かりが跳ね返されなかなか先がわからない状況が続く。過去に通ったことのある道で、なおかつ本日は往復 コースだったのでどういうところがあったかが分かっているのでいいが、全く知らない道だったら大変だろう。ライトに映る下の方だけ皮が剥げて白くなった木 が不気味である。途中の六ツ石山近辺の激下りもトレイルがどこにあるのか確認するのが大変だった。なお、濃霧のときはライトは極力低い位置に持って地面に水平に近い角度で照らすべきである。地面に近い位置ほど霧に跳ね返されることなく確実にトレイルを照らすことができる。ただし、目の前の木の枝に頭をぶつけることもあるので地面ばかり見ていてはいけない。ヘッドライトは霧に反射されて役に立たないということを留意されたし。ライトの反射が目に入るとまぶしくて路面が分かりづらい。

標高が下がるとガスは薄くなり、ライトで明瞭に照らされる範囲が広がり可視性は大幅に向上してきたのでもう遭難の危険もなく一安心、と思いきや。。。ようやく奥多摩の町が近づき杉林のつづら折れにさしかったところで、強烈な獣のマーキングのニオイが。クマかイノシシか、いずれにせよこれだけのニオイがするということは大して時間が経過してないことを意味する。クマ鈴は常に鳴らしていたが、念のためホイッスルも鳴らし、ライトで全方位を照らし変な影が映らないか確認する。何もいないようなので前進するが100mもいかないうちにまた同じニオイが。町に近くなっても油断は出来ないということだ。 慎重に通過するが、結局何もなくようやく林道へ下りる。もうゴールはかなり近い。再びトレイルに入るが、すぐ横の民家だか倉庫だかの建物のところで物音が。。。そちらにライトを向けると色々とモノが落ちる音などがした。住人の方を驚かしてしまったか、何かいたのか。声などしないところを考えると後者の気がするが。神社のところまで下り、無事の下山を合掌してお礼。20キロ、6時間、悪天候と闇と滑りやすいトレイルに想像以上に苦戦した。

多少天気悪くても行ける行けるなんて思って上り始めたがやはり悪天候で暗闇の山はかなり怖かった。なお、今回の悪天候の日に午後から石尾根に上るという山行きも地図コンパス・サバイバルシート・応急セット・食料・水は十分持って万全な装備をしていたつもりである。高尾陣馬のような山とは違い、奥多摩の山は甘くない。

それにしても、このコースは都内近郊で駅を下りてすぐの所から長い長い上りを楽しめる唯一のコースではなかろうか。そしてこの長い上り、さらに石尾根の名の 通り石がごろごろしている地面はヨーロッパアルプスのトレイルの練習場所としては最適である。走力やその日の体調、天気によって折り返し地点を変えればい いので往復コースといえどもバリエーションのとりようがある。スイストレイルの反省と、今UTMBを走っている仲間を意識してこういうコースに来たが、今 後あと1ヶ月弱、信越五岳までは「走る」ことをメインに練習する。

帰宅後は佳境に入ったUTMBのテキスト速報を一生懸命目で追う。王者キリアンの優勝を確認し、鏑木さんが7位、ヤマケンさんが10位行けそうというところで疲れたので就寝。
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