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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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あと3時間ほどで今年のUTMBが終幕を向かえようとしている。昨日はトップ3を確認してから寝たので本日は起床してまず鏑木さんの7位、ヤマケンさんの10位を確認。特にヤマケンさんの順位が残り15キロポイントで12位で10位まで6分差という状況で就寝したので気になっていたが、しっかりと10位に上がったのはすばらしい。しかも抜いた相手も決してつぶれたわけではなく15分差以内で2人ともフィニッシュしてるのでレースに勝ったすばらしい結果である。

イベントでよくご一緒する日本から参加の皆さんも続々とゴールされている。まだコース上の方、残念ながら途中でアウトになった方もいるが、この壮絶なレースに挑戦したすべての皆さんの姿が輝いている。今年はスタート時の悪天候が尾を引いて様々な変更があり、例年以上に厳しいレースだったのでなおさらである。この舞台にいつか立ちたいという思いを強くする一方で、生半可な覚悟では軽く跳ね返されるということも痛切に感じた。

今回のUTMBはレース開始日のモンブラン近辺の悪天候によりスタート前後で以下のような変更があり、その結果として例年よりも厳しい設定のレースとなった。特にレーススタート後に、短縮されたはずの距離が当初の距離よりも伸びるなんて選手にとっては悪い冗談かと思うような話ではあるが、悪天候の影響でコース変更せざるを得なかったこと、レースを2年連続中止とならないよう成立させるために使用可能なコースをつないだことは事務局のすばらしい対応である。

□スタート前の変更
①スタート時間変更(18時半→23時半)
②終盤のコースを短縮
③スタート時間・コース変更に伴う制限時間変更(ゴール:46時間→43時間30分、Chamonix19時)

□スタート後の変更
①終盤短縮される予定だったコースを再変更(→170km、+9700mに)
②コース再変更に伴う制限時間変更(45時間30分、Chamonix21時)

序盤はキリアンを含むサロモン勢とセバスチャン、そしてアメリカ勢がレースをリードする。WS100でもキリアンとデッドヒートを演じたアメリカ勢は中盤以降徐々に脱落、最終的に誰一人表彰台圏内の10位以内に残らなかった。アメリカ勢は走れるトレイルには強いが、山への強さが求められるヨーロッパのトレイルレースへの対応には苦慮するようだ。キリアンとIker Karreraがほぼ僅差のまま終盤まで進み、他の選手は次第に脱落。最後は9分差をつけたキリアンが20時間35分で優勝。ノースフェイスのレースであるが、サロモンスペイン勢によるワンツーフィニッシュとなった。3位は地元フランスにしてノースフェイスのセバスチャンが食い込み何とか面目を保つ。

キリアンから遅れること3時間、鏑木さんは徐々に順位を上げてきたがそれをさらに後ろから追い上げてきたPatrick Bohardには追いつけず7位でフィニッシュ。一方ヤマケンさんは女性1位のLizzy Hawkerを振り切りつつ2人と競り合って10位、またもやこの2人が10位以内に入った。日本人が今年も2人入ったのはすばらしい結果である。

一般参加者のレースの第二部については、今回はTwitterに自動的にチェックポイントの通過情報が投稿されるため、随時知り合いの通過情報がタイムラインに流れてくる。最初から飛ばす人、マイペースを貫く人など人それぞれではあるが皆ゴールに着実に向かっている様子が把握できる。制限時間の再変更について知らなかったので特にキワドい状況の人にはハラハラしながら見ていたが、結局2時間ほど伸びたということで終盤まで粘っている人は大体完走できそうということで一安心。

通過時刻による実況サービスはすばらしいが、惜しむらくは映像のライブ配信がないことである。特にトップ選手のゴールシーンなど、可能なら生で見たかった。テキストを見守るだけなのにハラハラドキドキし、そしてゴールに近づくにつれて感動を与えてくれる。現地にいるとどれだけ感動できるのだろう。さらに、選手の完走したときの気分はどれほどすばらしいのだろう。100マイル(今回は+10キロ)のレースなんて何度も出たいなんて思うものではないが、必ずこの舞台に立ちたいと思わせる魅力がある。ただし、通過時刻を眺めてるだけでもスムーズにいった人は少なく、皆どこかで苦しんでいる様子が伝わってくる。信越五岳でも苦しみながらも皆がゴールへ向かう執念を感じたが、UTMBにはそれを遥かに上回る困難がある。ちょっとやそっとの準備では到底歯が立たないであろうことは容易に想像がつく。それを乗り越え完走した人にはただ頭が下がるばかりである。

まずは信越五岳の完走を目指し頑張るしかない。そしてその先には氷ノ山と来年Chamonixに行くためにはハードルがかなり高い。
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