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トレイルラン関係を中心に日々の出来事や思ったことを書き連ねて行きます。
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白馬国際トレイルに参加してきた。同日開催の信越五岳のエントリーには失敗していたため、ペーサーやボランティアという選択肢も有り得たが、急遽Leadvilleを控えたアメリカ滞在中にこちらにエントリーしていた。何だかんだいって昨年の信越五岳に続き50km以上のトレイルレースでの完走はまだ2回目、結果は8時間5分ほど。日差しがキツい川沿いや田んぼの中などの区間が長く、水を大量消費したが、エイドが十二分にあったため軽装で走る事ができた。距離から9時間近くかかることも想定していたが、レースの進み具合から中盤くらいには8時間も十分可能と思っていた。8時間以内のゴールが厳しそうだと感じた瞬間にスローダウンしてしまい、目標を達成できるできないに関わらず、最後まで頑張る事ができなかったのは心の弱さに他ならない。

家を10時半頃出て大会会場に辿り着いたのは16時半頃、関越道など各所の渋滞によりかなり時間がかかった。トレランクリニックで鏑木さんと六花先生が対談形式でUTMBのことについて語っている所に間に合った。その後はUTMFの話しや、間瀬ちがやさんも交えたトークなどがあり17時過ぎ頃に終了、前夜祭へと移行する。白馬のレースには1000人以上のエントリーがあったそうで、会場も賑わっているが、見知った顔は数名のみ。名簿を見ても名前だけ知ってる人を含め、10人いるかどうか。ほとんどの人が信越五岳に行っているということもあるが、これだけの人を集めたというのは凄い事だ。関西方面からの参加者も多かったようだ。前夜祭では鏡開きの後に太鼓のパフォーマンスがあり、締めは六花先生のライブが行われた。うどんとりんごと振舞酒だけなのですぐに人数も捌けて散会気味。六花先生のライブの頃にはかなり人が少なくなっていた。

18時半過ぎにペンションへと向かう。宿泊先はペンション「クヌルプ」。かのゲームソフト「かまいたちの夜」のロケが行われたペンションである。白馬に来る事自体始めてだったが、かつて熱中していたゲームの舞台ということで、是非とも泊まりたいと思っていた場所である。大会実行委員会が抑えている宿ではないため、特に早朝出発シフトがある訳でもないが、チェックイン時に早朝の出発を告げたら朝食をおにぎりに代える対応をしていただいた。また夕食も美味しく、レースの前泊に慌ただしく泊まるにはもったいない場所である。次に訪れる際にはゆっくりと泊まりたい。なお、ゲームはスキーシーズンの豪雪の日であるが、奇しくも豪雨と霧の晩であり、ゲームの雰囲気を味わうにはぴったりの天気であった。
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レース当日は夜の雨も上がり、朝日の当たる白馬三山が雲の切れ間に赤く輝く。スタートしてしばらく進むとスキー場を上って行く。ここで、スタート直後にも関わらず急にスローダウン。力が入らず、どんどん後続に抜かれる。朝食を食べたのがレースの直前過ぎたのか、気持ち悪くなり、吐き気までする。フラフラになってピークを通り過ぎ下りに入ってもペースを上げられない。
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そして、第2ピークへ向かう所のスタートから15kmの何でもない場所で左足首を捻る。50kmのレースで残り40kmも足首に痛みを抱えたまま進むのは大変であるが、何とか走れそうだったのでとりあえずは止まらない事にした。第2のピークである岩岳への上りで知り合いに追いつかれ、しゃべりながら上る。すると、難なく上ることができた。この辺りでようやくエンジンがかかってきた。やはり、ペーサーとなる人がいることの効果は大きい。最初のピークでヘロヘロになっていたときに抜かれた人たちがこの上りでかなりペースダウンしている。

この区間はスキー場部分が少なく、岩岳遊歩道のシングルトラックが多い。下りでは前夜の雨の影響か大変すべりやすくなっており、何人も転倒している人がいた。この区間はミドルやショートの人に時折追い抜かれる。滑りやすい下りで後続に道を譲ろうとしたらまた左足首を捻ってしまった。何とか走れそうだったのでレース続行。下ってエイドに出た所で上りで置き去りにしたはずの人に追いつかれたが、またエイドで置き去りにする。

次のピークまでは吊り橋を渡ったり、田んぼの広がる中を走ったりと高低差が少なく走れる区間が続く。ロードに出ると山で抜いた人に次々と抜かれる。とにかく暑いので水の消費量が多く、エイドに着く度に水をかぶりながらという状況であった。最後の上りの区間は直登を繰り返しながら、想像以上に長かったが先行ランナーをパスしながらピークに到着。8時間でゴールできるかはかなりキワドいと思ったが、やれることはやってみようと下り基調の道を走っていたら、まさか、20km以上も手前で置き去りにしたはずの知り合いに再度追いつかれ、置き去りにされる。
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最終エイドに到着が7時間半くらい、残りの距離を考えると8時間でのフィニッシュは決して無理ではないが暑い中で身体がなかなか動かず、スローダウン。結局歩いたり走ったりの繰り返しで八方のエリアに戻り、5分ほどオーバー。8時間というのはレース中のペースから出て来たキリのいい数字であり、それを切れる切れないとかいう問題でなく、歩いてしまったのが心の弱さであり、厳しいレースでは明暗を分けるポイントとなる。ゴール後は会場脇の温泉につかり、この週末のもう一つのイベントである信越五岳の会場へと向かった。
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谷川岳の翌週は南伊豆、ようやく夏らしい所に出かける事が出来た。既に9月第2週であったが。伊豆半島南端部の海岸には、妻良(めら)から中木の集落に南伊豆歩道と呼ばれるトレイルがあり、さらにそのまま石廊崎へと続いている。合計で20キロ強、トレランツーリングにはちょうどいい距離である。きれいな海と温泉、金目鯛、きっと楽しい一日になるに違いないと思って家を出た。

少々出遅れた事もあり、想定より下田到着が遅くなり、無情にもバスの出発は12時前。90分のロスにつながってしまった。遠い場所に出かけるときには、出先の電車やバスの本数が少ないため、地元の数分の乗り遅れが1時間単位の誤差になるのは常に注意すべきことである。待っていても仕方ないのでバスと同じ方向に向かってジョグを始める。いくつかの美しいビーチを眺めながら、3キロくらい先でバスに追いつかれる。ここからは妻良までバスで移動。漁港の集落であるが、こんな所でもやはり海の色が美しい。地元のおばあさんに話しかけられ、石廊崎まで走る予定であることを伝えるとあきれられる。9月の残暑の炎天下の中を走るというのは、確かに通常の人から見たら異常なことであろう。

集落から少し戻ったところに南伊豆歩道の入り口があり、最初の区間は吉田集落までの4キロである。さらに最初は林道である快適に走れる。しばらくしてトレイルへの分岐があったが、一瞬進むべきか戸惑った。明らかに茂みに覆われていてしかも階段が崩れかかっている。これは危険なのでは?と思いそのまま引き返そうかとも思ったが、ちょっと進んでみるかといつもの調子で進む。トレイルにはクモの巣が無数に張り巡らされて、数メートルに一度はあるという状況である。さらに、足元もどんどん心もとなくなり、草に覆われてしまっている。吉田までは大した距離ではないが、このまま進んでいいのかかなり不安になる。葉山のトレイルをさらにワイルドにした感じである。

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下草に覆われたトレイル

進めど進めど相変わらずトレイルは走れたものではないが、時折南伊豆の美しい海の風景が見える。もっと快適に走れる時期ならば景色を楽しむ余裕があるだろうが、停まるとアブやハチの集中攻撃をくらうのであまり長く休む事はできない。これだけ荒れ果てたトレイルなのに比較的新しい標識が多数あり、吉田への距離が近くなっていることは分かる。今さら引き返すわけにも行かないのでもう進むしかないという状況になりつつあったが、トレイルの状態はヒドい。さらに、トレイルの先に何かいると思ったらウリボウがこちらの様子を窺っている。近くに親がいるかもしれない、それだとかなりイヤであったが、笛を吹いたりしてどっかに行ってくれる事を祈る。こちらから少しずつ距離を縮めるとどこかへと消えてしまった。しかし、これだけでは安心ではない。
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倒木と下草がトレイルの行くてを阻む

さらに進んで行くと行く手を数本の大きな倒木が壁の様に立ち塞がりまるで進める感じがしない。誰かが間違ったのか、ルートを探すためなのかトレイルを避ける踏み跡があった。この踏み跡をたどればどこかに出ると思ったが、残念ながら獣道へとそのまま入ってしまいそうな感じである。とにかく、正規のルートに戻る道はないかと考えながら進んでいたらどんどん尾根へと上って行きそうになる。下を見下ろしたときにコースのように見える場所があったので下りてみたらその通りで、ようやくコースに復帰。結局吉田の集落に出た所でこの先の続行をあきらめる。あまりにもハチやアブの襲撃は頻繁だし、下草に覆われたトレイルをこれ以上進みたくない。

吉田集落は国道から遠くはなれた場所であり、断崖と海に囲まれてアクセスできる道は一つしかない。しぶしぶロードで峠越えをして国道に戻る。そのまま弓ヶ浜までロードをダラダラと走る事にした。弓ヶ浜は日本でも指折りの美しい砂浜である。弓ヶ浜には17時過ぎに着いたが、無情にも帰りのバスは17時40分が最終便となる。それでも、海に一度も入らない夏など有り得ないということで、一気にドボン。鎌倉あたりと違って澄んだ海が気持ちいい。しかし、それもつかの間、手に痺れるような感覚があった。まさかクラゲがいるのか。何かの間違いだろうと思っていたら今度は先ほどと同じような感覚が腕のより広い範囲に感じた。どうやら2度に渡りクラゲに刺されてしまったらしい。なお、後で調べたところによると、弓ヶ浜にはクラゲはいない、という記述が堂々となされているホームページやブログに行き当たったが、そんなことはなかった。

下田駅までバスで戻り、隣の蓮台寺へと向かう。ここの金谷旅館の千人風呂で日帰り入浴。非常に広い浴槽であり、男女混浴である。といっても、女性は専用の風呂があるため、夫婦やカップルなど、一緒に入ろうという人のみが混浴の方に来るようである。趣のある内装に、快適な風呂であった。日曜日であったため、翌日の仕事のことも考慮してさっさと帰路につく。残念ながら金目鯛も食べれず。結局、南伊豆歩道は中途半端にしか行けず、さらに海ではクラゲに刺され、金目鯛にも縁がないという少々ほろ苦い部分もあるトレイル行きであった。海とトレイルを両方楽しもうという欲張りな計画にやや無理があったか。次に訪れるのはやはり春の少し前で下草が茂っていない時期だろうか。

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先日北海道に出張をした際に、モエレ沼を走ってきた。モエレ沼は札幌駅から約10キロのところにある。廃棄物の埋め立て地であった場所にイサムノグチの構想が実現した公園である。朝早く出てホテルに戻ればちょうど仕事前のいい運動になる。札幌駅からしばらくの間は例に碁盤目上の市街地のため走りやすくはない。同じ用に碁盤上の京都もそうであるが、1ブロック進む毎に信号に引っ掛かるということがしばしばある。

ちょうど半分くらいの地点に高速道路があり、そこを過ぎると市街地から風景は一変、まさに北海道という感じの畑が道の両側に広がっている。公園のシンボルでもある山はかなり遠くからでも確認できる。園内に入ると、まずはこの山を上るしかない。ぐるりと回りながら上る道はついているが、直登している踏み跡もあり、それに従って上る。頂上からは札幌の市街地が一望、反対側は石狩川を見渡す事ができる。この山を何度か上り下りしてからホテルに戻る。帰りは一部バスを使ってしまったが、走れば軽く25キロは行くため、5時前に出ればちょうどいい朝の運動をして駅まで戻れるということだ。

なお、今回の限られた時間の中ではこれが精一杯で、本州とは違う北海道トレイルの魅力には全く触れる事ができなかった。北海道を訪れたのは14年ぶり、長い事機会はなかったが、機会は訪れるのではなく作るもの、である。次回訪れる際には北海道トレイルに踏み入れてみたい。
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久々のお出かけトレイルとして谷川岳〜平標山(たいらっぴょう)の谷川連峰縦走路に行って来た。谷川岳の北側の一の倉は遭難死者数が多く、谷川岳自体が世界一遭難死者数の多い山となっている。今回はそのルートとは無縁でロープウェイで天神平に上がり、山頂まで行き、そこから西の稜線を進むルート。越後湯沢駅に荷物を預け、土合駅まで電車で行き、帰りは苗場の手前からバスで越後湯沢に戻るという行程である。帰りのバスが19時9分と35分というのがポイントである。当初は水上から土合に出て荷物預けなしで着替えも背負って行動する予定だったが、如何せん高崎から先のローカル線に時間がかかるので新幹線で越後湯沢に出て荷物を預けるのが最も楽だろうと判断した。越後湯沢経由土合行きの切符だったが、途中下車扱いで改札を出てコインロッカーに荷物を入れる。土合駅は越後湯沢から上り線で到着すると地上ホーム。下り線のホームとの高低差が80mほどあるモグラ駅として有名だが、今回は上から覗くだけである。

9時前に到着し、谷川岳目当てのハイカー20人くらいが土合駅で下車。ロープウェイの駅まではアスファルトの緩い上りを1キロ強。ちょうどいいウォーミングアップになる。西黒尾根から頂上まで直登するルートとロープウェイで天神平まで上るルートの2つがあるが、今回は後者を選択。平標山まで抜けるルートは山と高原地図のコースタイムで前者で14時間、後者で12時間半のため、いかにトレランスタイルとはいえ途中のトラブル次第では帰りのバスに間に合わない悲劇が起こりうる。ロープウェイ駅で水(2lがないので高くついた)やスポーツドリンクを買い、ツアーの団体で賑わうロープウェイに乗車。9時半頃に頂上駅に到着した。

谷川岳頂上への道はロープウェイから来た客で賑わっており、かなりの人数がいる。しばらくは樹林帯だが、抜けると頂上までの見晴らしが良くなる。途中ロープが貼られた岩場などもあり、ひたすら上り道が続く。ところどころにフラットな場所があり、展望を楽しんだり休んだりする人のたまり場となっている。肩の小屋から少しでトマの耳(1963m)に着く。雲がやや多いものの、見晴らしはよい。2000mに満たない標高ながら、豪雪地帯であるため森林限界が低く、景色としては北アルプスの3000m級の山々に匹敵する。谷川岳は双耳峰のため、オキの耳(1977m)が最高点であるが、今回はそこまで行かずに平標山へと続く縦走路に入る事にした。縦走スタートは11時過ぎ、10時間の道なので、よほどの事がない限り19時半のバスに間に合わないことはなかろうと思いながら出発。行く先が雲にかかっていて若干の不安はあったがとりあえず進む。
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尾根上にシングルトラックが延々と続く

こちらの縦走路は大勢のハイカーで賑わっていた天神平〜谷川岳山頂とは違ってほとんど人がいない。果てしなく続く稜線上のシングルトラックをほぼ一人締めにできる。景色は最高に気持ちいいが、残念な事になかなか気持ちよくは走れない。万里の長城かと思うような、大小のピークが続き、しかも足元は笹の葉がガレの上に敷き詰められていて滑るし踏み方を間違えると足を捻りそうになる。急峻な斜面の上の細い尾根なので、転けたら最後、悲劇が待ち受けているので中々スピードを出す事は出来ない。また、ピークの頂上付近では特に上りが急になり、3点確保しながら上りをするような所も多々ある。南の斜面から風が通り抜け、鞍部は雲の通り道となっている。ガスで見えなくなるのは断続的なので雲が通り過ぎた後には絶景を眺める事ができる。快晴ではっきりとした展望も勿論よいが、雲がある眺めもなかなか風情があってよろしい。
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いくつかのピークを越えた所で12時、この日は12月に第1回目が開催する伊勢の森トレイルレースの申込開始日でもあるため、山の上ながら申込を敢行。偶然電波がよく入る場所にいたのであっけなくエントリー完了。ここで急に雨が降ってきた。ゴアのレインウェアを家を出てから忘れた事に気づき、取りに戻っていてよかった。2000m近い稜線で風雨に対する装備がないのは自殺行為に他ならない。雨がなくても風が吹くとかなり涼しく感じていたが、雨の中で体感温度は10℃近いだろうか。少し先に避難小屋が見えて来たのでそこで休もうと思い急ぐ。小屋の中には4〜5人の先客がいたが、ちょうど雨が止んだので結局中には入らずそのまま出発。

谷川岳を出て6キロ、万太郎山に到着したのが13時20分くらい。○○の頭という名のある中ピークと無数の小ピークが続いていたので、繰り返すアップダウンにいつになったら着くのかとやや辟易していた。大した距離でないのに2時間以上かけてしまった。先ほどの雨で滑りやすくなった急斜面に手こずり、コースタイムと比較すると帰りのバスに対してあまり貯金を稼げてないので少々焦りはあった。ヤセ尾根と地図に書かれていた箇所は確かに高所恐怖症の人は卒倒しそうな細い尾根を通り過ぎ、ここからは連峰の縦走ルートの最低点まで下って仙の倉山へ上り返す。見通しがいいので、目の前に最低点とその上り返しがよく見える。しかし、その上った先も中ピークのエビス大黒の頭(1888m)であり、本当のピークの仙の倉山(2026m)はその先の雲の中である。奥多摩の雲取山と標高的には大差ないのに存在感は全然違う。

エビス大黒の頭への上りで2人ほど前方から来た人とすれ違ったが、おそらくこのルート上で出会ったのは同方向に5人、逆方向に4人くらいで合計10人ほどだろう。ようやく上り切ると、雲の中の仙の倉を前にまた鞍部が見える。ピークに着いては下ってまた上る、その繰り返しだ。途中からガスに入り、ホワイトアウト状態で景色も見えなくなる。トレイルははっきりとしているので道迷いする危険がないのは幸いだった。視界が悪い中、もう頂上かと思わせては次の上りがガスの先に見えてくるということが何度も続く。仙の倉山の頂上に着いたが当然視界は真っ白、ここは晴れていれば360°の好展望の場所らしい。平標山までは草原の中にロープで仕切られた中、木道などを進む。きっと高山植物が花を咲かす時期は素晴らしいのだろう。木道の上は勢い良く走れないが、これまでのアップダウンの繰り返す尾根に比べてかなり楽なルートである。平標山到着が16時40分、悪天候で写真ストップがない分ペースが上がっている。ここからは地図のコースタイム2時間半くらいの道なのでよっぽどのことがない限り19時半のバスを逃す事はないと確信。

またまた雨が降って来てしかもかなり強まっているのでレインウェアを着用し下山ルートを進む。ガレていて細い尾根が続いていて走れなかったこれまでの道と違い、道幅も十分の土のトレイル、ようやくトレイルランニングが始められる。快調に飛ばして下って行くと、ガスが晴れ、夕日が見えて来た。正面には苗場スキー場が見える。バスの時間ギリギリだとライト点灯というのも覚悟していたが、何とか点灯する事なく18時10分に登山口駐車場に下山。その後、30分ほどで真っ暗になったので非常にいいタイミングだったのだろう。
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19時9分のバスで越後湯沢駅に戻るが、他の乗客は皆無。駅のロッカーから荷物を取り、15分ほど離れた駒子の湯に向かう。町営の施設できれいだが、料金は500円と割安。帰りの新幹線があるのでそれほど長居はできなかったが快適であった。入浴後は駅近くの越後やで名物のタレカツ丼と生ビール2杯に舌鼓を打つ。21時半の新幹線で東京へと帰る。交通費もかかるし、日帰りでは少々しんどい行程であったが、それを差し引いても余りある素晴らしい景色で、まさに空のトレイルと呼ぶにふさわしい眺めだった。スイスで出場したスカイランニングのレースやマッターホルンの麓の山歩きを思い出す眺めが気持ちいい。わずか20キロ強の行程に8時間半以上かけたのは少々スピード不足であるが、トレイルの状態と、地図のコースタイムとの比較でいけば仕方ない。2週間前のLeadvilleのHope Passの3840mに比べたら半分の標高なので身体もそれなりに動いていた。このエリア、苗場山など魅力のある山が他にもある。また次回も訪れたい場所である。
間もなく今年のUTMBことUltra Trail du Montblanc(現地19時、日本2時)がスタートする。夏の終わりのシャモニーに世界中からトレイルランナーが集まり、日本からも多く参加している。今年のレースは悪天候のため、フランス領内だけで行われる下記のプロフィールのコースに変更された。
 103.4km
 5,862m D+
1週間前までの穏やかな気候から一変、レースを前にシャモニーの天気は冬の様相を呈し、峠には積雪がある。国境の2500m級の峠の通過が危険と判断されたため、標高の低い所でレースを行う事になった結果のコース変更である。選手だけでなくスタッフの安全確保の観点からも致し方ない。天候によるコースの変更/短縮はあると思っていたが、100kmという一定の距離を確保しつつアップダウンも織り交ぜるレイアウトに短期間の間に変更する大会運営の手際の良さには頭が下がる。今年が記念すべき第10回目ということもあり、何が何でも形となるようなレースを開催したいという執念があったのだろう。

30キロで中止になった一昨年、スタートが遅延してさらにスタート後にコースが変更された昨年、そしてスタート前に大幅な変更が決まった今年とこれで3年連続で悪天候のために本来のレースが出来なかった。3年前も激走モンブランの映像で荒天の中フェレ峠を鏑木さんが上っており、お土地柄なのか厳しい気候である。大会の開催時期を8月の早い時期にずらすことも検討すべきと思ったが、夏のシーズン賑わっているシャモニーの町では宿泊のキャパもあり難しいく、また、天気に関しても毎月のようにこのような悪天候があるため、必ずしも解決とはならないようだ。

トップ選手ではUTMF優勝のJulienと昨年2位のIkerの2人が棄権するようだが、Heras、Martinez、D'haneのサロモン勢は参加、鏑木さんと横山さんのTNF選手も参加するとのこと。鏑木さんは今年の大会に向け過去最高の仕上がりと話していただけに、残念でならないが、自然相手のスポーツの宿命である。

先立って行われたTDSも終始雨で冷え込む中、完走率は42%(前年66%)と低いものの天候を考えればまずまずの結果だろう。しかし、冷えや雨濡れによるリタイア者のケアに相当手を焼いたようだ。日本人は20人出走したものの、わずか5人のみの完走。完走できなかった人にはそれぞれ理由があるだろうが、観光気分の延長で出場していたり、装備不十分によるリタイアならば残念なことだ。厳しいレースであることはコースプロフィールから明らかなのだから相応の準備をする必要がる。UTMBが短くなってしまったため、今年もっともタフなレースと図らずもなってしまったようである。Sokenさんが19時間切りで全体の31位という好成績でゴール。こういう大舞台で結果を出せるのは非常に素晴らしい。

現地時間の朝にスタートしたCCCではたくさんの日本人がレース続行中、あと1時間ほどで開始のUTMBと合わせて出来る限り多くの人がシャモニーに戻ってくることを期待したい。
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